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1.動物愛護管理法が再改正された


動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」という)は、昭和48年に成立した日本初の動物の保護に関する法律ですが、めまぐるしく変わるペット事情に対応するため平成11年大きな改正が行われ、さらに、平成17年6月さまざまな新規定が盛り込まれて再改正されました。     


この法律は、動物を人間の虐待から守り、その習性などに配慮しながら保護することによって、動物と人間のよりよい共生関係を広めること、また、誰もが生命の尊さを感じ平和を愛する豊かな社会を作ることを目的にしています。                                           


このため、ペットの飼い主の責任に関する規定、動物の適切な取り扱いに関する規定、動物に関わる仕事の規制、多くの動物を扱う者への周辺環境への配慮など、各種の規定が設けられています。ちなみに、この法律の対象となる動物は、家庭動物、展示動物、畜産動物、実験動物等、人の飼養にかかる、つまり日本において飼育されている全ての動物とされています。            


この法律の再改正は、よりいっそうの動物の愛護を推進するために行われたもので、具体的には次のようなことが変わりました。                                                                                                                                                                                                                                   

@動物に関わる仕事の中で、動物取扱業と呼ばれる業種を営む人または業者は、事前の届出が義務づけられていましたが、今回の改正で登録制(許可制)に変更され事前の登録(許可)が必要になりました。それに伴い、登録(許可)要件が厳しくなったことはもちろん、違反した場合には登録の取り消しや業務停止命令が出ることもあります。                                  

 

A特定動物に指定された危険な動物を飼う場合、全国的に一律の許可が必要になりました。   


B愛護動物に対する虐待、遺棄についての罰則が30万〜50万円に強化されました。       


C実験動物の福祉向上のため配慮事項として3Rの原則が明記されました。このほかにも改正部分は多岐にわたります。

3Rの原則

  • Reduction(使用回削減)
  • Refinement(苦痛の軽減)
  • Replacement(代替法)

2.ペット関連業者はどうなるの?


動物取扱業」が登録制になりました。改正動物愛護管理法では、「動物取扱業」は「動物の販売(その取次ぎまたは代理を含む)、保管、貸し出し、訓練、展示を営むもの」と定義されており、今回の再改正で、新たに「動物と触れ合う施設」や「インターネットによる動物の販売等」の施設を持たない業者も対象となりました。

 

ここで、各都道府県および政令指定都市が独自に定める条例にも気をつける必要があります。条例は、法令で定められた動物取扱業の範囲を、限度はありますが拡充することが出来ます。仮に、法律では動物取扱業の範囲に該当しないとして登録を受けないままに営業をしたとしても、条例では動物取扱業に該当し、無登録営業で処罰の対象になる可能性があるのです。ですから条例を確認することは非常に大切なことになります。


では、以前の届出制と今回採用された登録制はどう違うのでしょうか?「届出制」は、動物取扱業に該当する業種で営業することを、知事に届け出ることで足りました。しかし、改正後に規定された「登録制」は、一定の基準を満たし、知事に登録を受けることで始めて営業できることになります。行政法学上は「許可」に該当するものといえます。


この登録には有効期限があり、5年ごとの更新手続きが必要です。また、更新の手続きをしないと、無登録業者として罰せられる可能性もあります。


この登録を受けるためには、事業所ごとに動物取扱責任者の設置が必須です。今回の法改正で全国一律に義務化されました。


ところで、届出済みの動物取扱業者はどのような手続きが必要なのでしょうか。この法律は公布(平成17年6月22日)してから1年以内に施行されます。


ですから、届出を行って営業している動物取扱業者は、施行までは、今のまま営業できますが、施行後1年以内に登録の手続きを済ませなければなりません。


これに加え、今回新たに動物取扱業に該当することになった動物取扱業者は、新たな登録手続きが必要となります。

3.動物取扱責任者とはなにか?

  • 今までは、各都道府県の条例によって動物取扱責任者(都道府県によっては動物取扱主任者)の設置の有無が決められていました。


    都道府県によっては、動物取扱責任者の設置を義務付けていたところもあり、その一方で、動物取扱責任者を設置する必要がなく動物取扱業の届出のみで足りるというところもあったのです。

  • しかし、今回の法改正では、全国一律に、動物取扱業を営む営業所ごとに動物取扱責任者の選任が義務付けられました。

  • つまり、新しい営業所を設けようとする場合、その営業所ごとにあらたに動物取扱責任者を選任しなければならなくなりました。

  • 動物取扱責任者は、各種の法令や命令、処分に対する違反がないように、動物または施設の管理に関わる事項を監督し、施設の不備などを改善するよう事業主に進言する責務を担います。

  • また、動物取扱責任者は、適正に動物を飼養や取扱をするための知識の習得に努めなければなりません。

  • 動物取扱責任者になるためには、特に資格は必要ありません。動物取扱業の登録を受ける際、営業所ごとに動物取扱主任者を選任すればいいのです(ただし、動物取扱責任者には欠格事由がありますから注意が必要です)。

  • 動物取扱主任者は、動物が適正に飼養されるように、目を配る大切な役割を担っています。そのため、法令では定期的な研修(環境省令で定めることにより、動物取扱責任者として必要な知識及び能力に関する研修)の受講が義務付けられています。

4.ペット関連事業に関する罰則の強化

  • 動物愛護管理法は昭和48年に成立したのですが、当初の罰則は動物の虐待に対して3万円以下の罰金・過料と不十分なものでした。

  • そこで、今回の法改正では、動物取扱業の登録制・特定動物の許可制などへの移行に伴う罰則、従来の規程に関する罰則金額の増額等が行われたのです。

  • 動物をみだりに殺しまたは傷つけると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。給水を止めるなどの行為については50万円以下の罰金、愛護動物(牛、馬、綿羊、山羊、犬、猫、家兎、鶏、家鳩、アヒル、その他人が飼っている哺乳類、鳥類、爬虫類)を遺棄すると50万円以下の罰金となっています。

  • 動物取扱業者に関する罰則としては、登録を受けないで営業すること、不正の手段で登録を受けたもの、業務停止命令に違反したもの、基準遵守義務違反をしたにもかかわらず改善命令にも応じない場合などには、30万円以下の罰金が科せられます。

  • また、営業に関する変更事項の届出をしないもの、虚偽の届出をしたもの、報告義務の不履行や立ち入り検査を妨害拒否したものに対して、また周辺の生活環境への悪影響に対してその原因の除去命令に従わない場合などには20万円以下の罰金が設けられています。

  • このほか、動物取扱業者は、環境省令によって、氏名、名称、登録番号など定められた事項を記載した標識を掲げなければなりません。これに違反すれば、10万円以下の過料に処せられます。廃業届けを提出しなかった場合や虚偽の届出をした場合には、20万円以下の過料に処せられます。

  • また、動物取扱業が届出制から登録制に移行したことにより、「登録の取り消し」という条文が創設されました。営業停止については、その期間、登録の取り消しを受けたものについては、取り消しから2年間は動物取扱業の登録を受けることが出来ません。

5.動物取扱業の施設・衛生・管理の基準

  • 環境省では、動物取扱業を営むうえで、守らなければならない施設・衛生・管理方法の基準を定めています。

  • これを満たさない業者は、登録を受けることができません。また、登録を受けた取扱業者であっても、この基準を守らなければ、登録の取り消しや罰則の対象となる可能性もあります。

  • ところが、平成17年6月に再改正された動物愛護管理法に対応した施設・衛生基準は発表されていません。(平成17年7月現在)。

  • 今後、環境省では遵守基準案を作成後、パブリックコメント(環境省で作成した案に対する世間一般からの意見)を募集する予定になっていますが、施設に関する基準については、建物の構造や間取り自体に関するものも含まれますから、物件選びの段階から考慮に入れておく必要があります。

  • そこで、今回の環境省での基準の参考となる東京都の施設・衛生基準について、簡単に触れると、「施設環境基準」、「管理方法」という2つの考え方から構成されています。また、全ての業種に共通する「共通基準」、業種ごとに満たすべき基準を定めた「業種別基準」に分かれています。

  • 共通基準では、施設内の温度計の設置義務、動物の排泄物を一時保管するための施設または容器の設置義務など、かなり細かいところまで決められていますので、一度は熟読されることをお奨めします。

  • 「業種別基準」については、自分が営もうとする業種によって、その特性に応じた基準が定められていますから、注意する必要があります。

  • 動物愛護法の改正後も、各都道府県の条例で、それぞれの事情に合わせた基準が定められるものと思われます。法令だけでなく、地域ごとの条例にも気を配りましょう。